はじめに|一次合格、おめでとうございます
一次検定に合格された皆さん、おめでとうございます。
ただ、本当の勝負はここからです。
第二次検定は、第一次検定とは出題形式も評価基準も大きく異なります。知識を問う一次に対し、二次では「施工管理の考え方を、どう説明できるか」が問われます。そして多くの人が、ここでつまずきます。理由は「知識不足」ではなく「書き方」です。
私は現場で施工管理に携わりながら、1級電気通信工事・建築・管工事・電気工事の施工管理技士4資格を取得しました。この記事では、独学で二次を突破する方法を、正直にお伝えします。

まず知っておきたい|令和6年度からの変更点と、よくある誤解
対策を始める前に、必ず押さえておくべきことがあります。
電気通信では、施工経験記述は廃止されていません。
建築施工や管工事では令和6年度に経験記述の扱いが大きく変わりましたが、電気通信では経験記述が7年間ずっと残っています。
他科目の情報をこの科目に当てはめないでください。問題1は今も最大配点の主役です。
そして、世間の説明には誤りが混じっています。
「令和6年から設問が3つから2つに減った」という説明を見かけますが、これは数え方の誤解です。書く”管理テーマ”の数は、7年間ずっと2つのままです。
実際に変わったのは、次の2点だけです。
| 区分 | 令和元〜5年度 | 令和6・7年度 |
|---|---|---|
| 工事概要 | 〔設問1〕として番号を振る | 〔工事概要〕(設問番号なし) |
| 管理テーマ | 〔設問2〕〔設問3〕の2テーマ | 〔設問1〕〔設問2〕の2テーマ(数は不変) |
| 工事の選び方 | 「代表的な工事を1つ」=テーマ指定なし | 「このテーマに留意した工事を1つ」=条件付き |
| 各テーマの構造 | 「重要と考えた事項+措置・対策」を一括で記述 | ⑴課題 / ⑵対策+結末 の2段に分割 |
つまり本当の変化は、①選ぶ工事に「このテーマに留意した工事」という条件が付いたこと、②各テーマが「課題」と「対策」の2段にはっきり分けて書かされるようになったことの2つです。
テーマ数が減ったわけではありません。むしろ「課題を独立して書け」と明示された分、採点者が見る観点が固定されたと考えるべきです。
※ 細かい点ですが、「評価まで書かせる」のは令和7年度だけです。令和6年度は⑵で「実施した具体的な対策の内容とその結果」まででした。どちらの形式でも書けるように準備しておくのが安全です。
1級電気通信工事 二次検定の出題構成|6問すべて必須
第二次検定は6問構成、試験時間は180分(13時〜16時)です。合格基準は得点の60%以上とされています(配点は公表されていません。以下は推定です)。
そして6問すべてが必須で、選択問題はありません。ここが他の施工管理技士と決定的に違う点です。
| 問題 | 問われるもの | 形式 | 推定配点 |
|---|---|---|---|
| 問題1 | 施工経験記述(工事概要+管理テーマ2つ) | 記述 | 約40点 |
| 問題2 | 施工全般(語句選択・系統図・穴埋め) | 記述 | 約12点 |
| 問題3 | ネットワーク工程表 | 数値記入 | 約8点 |
| 問題4 | 労働災害防止対策(作業を2つ選択) | 記述 | 約12点 |
| 問題5 | 用語の技術的内容(3つ選択) | 記述 | 約16点 |
| 問題6 | 法規(3設問の条文穴埋め) | 語句記入 | 約12点 |
6問すべて必須ということの意味
捨て問が作れません。したがって戦略は「得意を伸ばす」より「全問を薄くでも埋める」が正解です。
とりわけ問題1・3・6は準備すれば誰でも点が取れるので、ここを落とすのが一番もったいない。逆に問題5(用語)は満点を狙わず、選択肢から確実に書ける3つを拾う設計にします。
合格の設計|満点ではなく「落とさない」
合格に必要なのは60点です。満点は要りません。配点から逆算した現実的なラインは、こうです。
| 領域 | 推定配点 | 目標得点 | 方針 |
|---|---|---|---|
| 問題1(経験記述) | 40点 | 28点 | 満点は狙わない。型を守り減点を防ぐ |
| 問題3・6(工程表・法規) | 20点 | 18点 | 定型。準備がそのまま点になる。最優先 |
| 問題5(用語3つ) | 16点 | 10点 | 書ける用語を12〜15語用意すれば届く |
| 問題2・4(選択記述) | 24点 | 14点 | 選んで確実に書けるものを丁寧に |
| 合計 | 70点 | 合格ラインに対し10点の余裕 |
どの領域も「満点」を前提にしていません。各領域で6〜8割を安定して取るほうが、特定分野に賭けるより確実です。
とくに問題3(ネットワーク工程表)は計算で正解が一つに定まる、満点が取れる問題です。直前期は必ずここから固めてください。
独学で戦えると考える理由
記述式には、公表された正答がありません。つまり採点者は「模範解答と一致するか」ではなく、「この受験者は電気通信工事の現場を管理できる人間か」を文章から判断しているということです。だからこそ、書き方の型が決定的に効きます。
工程表・法規・用語は、過去問を中心に繰り返せば独学で十分対応できます。ここは市販の問題集で戦えます。
しかし施工経験記述だけは、独学で対策しきるのが難しい。
なぜなら正解が公表されず、「受かる答案の型」を独学では見る機会がないからです。
ここに、独学者の最大の壁があります。添削してくれる講師も、参考にできる合格答案もない。自分の答案が合格レベルなのかを判断する基準を持てないまま本番を迎えることになります。
だからこそ、独学で二次を受けるなら、模範解答と採点の考え方がついた教材で「受かる答案の型」を先に知っておくことが決定的に重要になります。
施工経験記述は「①課題 → ②対策 → ③結末」の型で書く
令和6年度以降の経験記述は、次の骨格で書きます。
- ① 課題(どんな管理上の課題に直面したか)
- ② 対策(自分がどう対応したか。具体的に)
- ③ 結末(その結果どうなったか/どう確認したか)
重要なのは、③まで書き切ることです。
「注意した」「徹底した」といった抽象語で終わる答案は減点されます。電気通信工事の現場管理者として、何を・どうしたのかを、機器・数値・工法など具体的な言葉で書けているか。ここが採点者の見るポイントです。
そして令和6年度からは、選ぶ工事に「このテーマに留意した工事」という条件が付き、各テーマが課題と対策の2段に分けられます。用意した骨格を、その条件に合わせて配置し直す柔軟さが必要です。だからこそ「一本の完成文の暗記」ではなく「型の習得」が効きます。
経験記述テーマの7年実績
どのテーマが来るかを知っておく価値があります。
| 管理テーマ | 7年の出題 | 準備の要否 |
|---|---|---|
| 品質管理 | 5回 | 必須(最頻出級) |
| 工程管理 | 5回 | 必須(最頻出級) |
| 安全管理 | 3回 | 必須(※交通誘導員の配置は毎回除外) |
| 施工計画の立案 | 1回(令和7で新登場) | 推奨(骨格を用意) |
| 環境管理 | 0回 | 骨格だけ |
特定テーマへの一点賭けは危険です。
品質・工程・安全の3つに施工計画を加えた4テーマの原稿を用意しておけば、まず穴はありません。
電気通信特有の武器|試験・測定名を書けるかどうか
電気通信の記述で加点されている答案には、例外なく「確認・測定の記述」が入っています。
型としてはこうです。
施工中は〔管理・記録・立会い〕を行い、施工後に〔試験・測定名〕を実施して〔規格値・判定基準〕を満たすことを確認した。
具体例で言えば、
融着接続の後は、接続部ごとにOTDRにより接続損失を測定し、規格値0.3dB以下であることを確認して記録した。
——ここまで書けて、はじめて点になります。「丁寧に接続した」では点になりません。
試験・測定名と規格値は、電気通信の受験者だけが持てる武器です。
光ファイバの損失測定、絶縁抵抗、接地抵抗など、自分が扱う設備の試験名と判定基準を、テーマごとに1つずつ持っておいてください。
もうひとつ、除外指定に注意してください。安全管理では「交通誘導員の配置」が毎回除外されています。ここに触れると、記述内容がどれほど適切でも0点です。




独学者こそ、本試験形式の模擬試験で受かる型を知る
型を頭に入れたら、次は実際に解いて試す番です。
記述対策は、知識を増やすだけでは足りません。実際の試験時間(180分)の中で、経験記述・施工全般・工程表・労働災害防止・用語・法規の6問を解ききる。この経験を積むことで、初めて自分の課題が見えてきます。
私が制作した模擬試験は、独学者が持てない「受かる答案の基準」を補うために作りました。
収録内容
- 問題冊子(本試験形式・本試験レイアウトの解答用紙)
- 模範解答
- 採点ポイント・自己採点用の解説
模範解答と採点ポイントがついているので、「自分の答案が、合格レベルと比べてどこが足りないか」を自分で確認できます。




まずは1回、時間を測って解いてみてください。演習量を増やしたい方には、5回分をまとめたセットもあります。




【本命】記述の「型」を体系的に学ぶ|記述マスター
模擬試験は「解いて試す」教材です。一方で、「なぜ減点されるのか」「どう書けば加点されるのか」という書き方そのものは、問題を解く回数だけでは身につきません。模試を5回解いても、除外指定を読み落とす癖や、「注意する」で文を終える癖は直りません。
そこで、令和元〜7年の7年分の出題を分析し、令和6年度からの形式変更に対応して「型」に落とし込んだのが記述マスターです。
記述マスターの中身(全9章+巻末付録)
- 第1章:二次検定の構造と得点戦略(6問すべて必須という構造、令和6年度の形式変更、経験記述テーマの7年実績、180分の使い方)
- 第2章:〔工事概要〕の書き方(電気通信工事として成立させる、発注者名の落とし穴、記入例、現場ネタ棚卸しシート)
- 第3章:課題→対策→結末の「型」(この教材の核。骨格テンプレート、電気通信の武器=試験・測定名、テーマ別の記述例、抽象語→具体語の変換テーブル、課題の引き出し30)
- 第4章:施工全般(問題2)(語句別の引き出し、系統図のJIS記号、頻出の穴埋め)
- 第5章:ネットワーク工程表(問題3)(計算手順、TFとFF、演習と解答、ケアレスミス集)
- 第6章:労働災害防止対策(問題4)(除外指定を最優先で守る、7年間に出た作業、作業別の引き出し)
- 第7章:頻出用語集(問題5)(有線・光ファイバ系/無線系/ネットワーク・IP系/セキュリティ系、7年分の選択欄一覧、演習20問)
- 第8章:法規(問題6)(出題は3系統で固定、建設業法・労働関係法・電気通信系法令の頻出条文)
- 第9章:NG例と記述テンプレート集(典型NG例、合格答案との対比、答案用紙の作法、自己添削チェックリスト、直前1週間でやること)
- 巻末付録:完成答案例
経験記述の型だけでなく、電気通信特有の用語・系統図・法規まで、二次の攻略を1冊に凝縮しています。




模試より高い価格をつけている理由
記述マスター(7,800円)は、模試5回のバンドル(6,000円)より高い価格です。問題数では模試のほうが多いのに、なぜか。
それは、模試を解いても身につかない「書き方」そのものを扱うからです。何が減点され、何が加点されるのかを知らないまま解き続けても、同じ答案を5回書くだけになってしまいます。
模擬試験が「試す場」、記述マスターが「型を身につける場」。順序としては、記述マスターが先です。
両方そろえれば、独学でも「型を学ぶ→試す→直す」のサイクルが回せます。
AIを活用すると独学はさらに効率化できる
私は現在、NotebookLMやChatGPTなどの生成AIも活用しています。
- NotebookLMで過去問や参考資料を整理する
- ChatGPTで経験記述の添削、用語の確認、理解度チェックを行う
この流れで、独学でも「添削に近い環境」を作れるようになりました。ただしAIは万能ではありません。
電気通信特有の数値・規格は誤ることもあるため、最終的には関係法令・JIS等の一次資料で確認する姿勢が必要です。
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※ 管工事版は現在スタンダード版(NotebookLM+ChatGPT熱血教官モード)です。二次検定専用GPTsは制作中で、完成後にコンプリート版へ移行予定です。




よくある質問
Q. 令和6年度の形式変更で、対策はどう変わりましたか?
経験記述は廃止されていません。変わったのは、①選ぶ工事に「このテーマに留意した工事」という条件が付いたこと、②各テーマが「課題」と「対策+結末」の2段に分けられたことの2点です。管理テーマの数は7年間ずっと2つのままです。
Q. 他の資格では経験記述が廃止されたと聞きましたが?
建築施工や管工事では扱いが変わりましたが、**電気通信では経験記述が現在も出題されています。**他科目の情報をこの科目に当てはめないでください。
Q. 独学だけで本当に合格できますか?
できます。工程表・法規・用語は定型なので独学で十分固められます。経験記述だけは「受かる型」を知る必要があるため、模範解答と採点ポイントのある教材で型を学ぶのが近道です。
Q. 6問すべて必須というのは、どういう影響がありますか?
捨て問が作れないということです。得意分野で稼ぐより、全問を薄くでも埋めるほうが確実です。特に問題3(工程表)と問題6(法規)は準備がそのまま点になるので、ここを落とすのが一番もったいない。
Q. 記述マスターと模擬試験、どちらから始めるべきですか?
記述マスターが先です。何が加点され何が減点されるのかを知らないまま模試を解き続けても、同じ答案を5回書くだけになります。型を身につけてから、模試で試すのが効率的です。
まとめ|二次検定は「受かる型」を知れば独学で戦える
1級電気通信工事施工管理技士の第二次検定は、独学でも十分に合格を目指せます。ただし、一次のように知識を覚えるだけでは合格できません。
- 6問すべて必須。捨て問を作らず、全問を埋める設計にする
- 問題3(工程表)と問題6(法規)という定まる20点を、最優先で確実に固める
- 経験記述は「①課題→②対策→③結末」の型で書き、③まで書き切る
- 試験・測定名と規格値を入れる(電気通信だけが持てる武器)
- 除外指定(交通誘導員の配置など)に触れない
- 品質・工程・安全+施工計画の4テーマの骨格を用意する
そして、独学者が持ちにくい「受かる答案の型」を、模範解答と採点ポイントで先に知っておくこと。それが合格への近道です。












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