1級管工事施工管理技士 二次検定は独学で合格できる?施工要領図・ネットワーク工程表・記述の攻略法【合格者が解説】

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一次検定に合格された皆さん、おめでとうございます。

ただ、本当の勝負はここからです。

二次検定は、一次検定とは出題形式も評価基準も大きく異なります。知識を問う一次に対し、二次では「設備の施工を、どう管理し、どう説明できるか」が問われます。そして多くの人が、ここでつまずきます。理由は「知識不足」ではなく「書き方」です。

私は設備サブコンの現場所長として施工管理に携わりながら、1級管工事・建築・電気工事・電気通信工事の施工管理技士4資格を取得しました。管工事=空調・給排水衛生は、私にとって本職そのものです。この記事では、現場で管工事の施工管理を続けてきた立場から、独学で二次を突破する方法を、正直にお伝えします。

目次

まず知っておきたい|令和6年度から出題形式が大きく変わりました

対策を始める前に、必ず押さえておくべき変更があります。

1級管工事施工管理技士の二次検定は、令和6年度から出題構造が大きく変わりました。変更前の情報を前提に準備を進めると、努力の方向がずれます。変更点は3つです。

① 施工経験記述が姿を消しました

令和5年度までは、最後に「自分が経験した管工事を1つ選び、工事名・工事場所・設備工事概要・自分の立場を書き、工程管理または安全管理の観点から重要と考えた事項と対策を述べる」形式が必須でした。令和6年度・令和7年度には、この問題がありません。

つまり、「自分の現場を一本だけ文章化して丸暗記し、当日それを書き写す」という従来の対策が、そもそも出題されなくなったということです。

② ネットワーク工程表が「選択」から「必須」になりました

従来は選択だった工程管理(ネットワーク工程表)が、必須問題になりました。ここは計算で正解が一意に決まる、準備がそのまま得点になる分野です。逃げられなくなった代わりに、固めれば確実に取れます。

③ 「自分の工事」から「与えられた設備」へ

記述の題材が、自分の経験ではなく、問題文で与えられた設備(事務所ビルの空調・給排水衛生など)に変わりました。求められるのは「自分の思い出」ではなく、「与えられた条件に対して、施工でどう管理するか」を型どおりに書く力です。

1級管工事 二次検定の出題構成

二次検定は、問題用紙に5〜6問が並びますが、実際に解答するのは4問題です(令和元〜7年で一貫)。
試験時間は13時00分〜16時00分の3時間、試験日は令和8年度は2026年12月6日(日)です。

  • 問題1:施工要領図(必須)── ○×判定+系統図の改善策の記述
  • 問題2:工程管理(必須)── ネットワーク工程表の計算(令和6年度から必須化)
  • 問題3:法規(必須)── 労働安全衛生法などの穴埋め・記述
  • 問題4/問題5:選択(記述)── 空気調和設備 or 給排水衛生設備の二者択一。留意事項・機器の特徴・総合試運転調整

配点は公表されていませんが、解答量から推定すると、工程表(約20点)と法規(約15点)で約35点。この2つは正解が一意に決まり、準備量がそのまま点になります。ここを取りこぼさないことが、合格ラインへの最短距離です。

※合格基準は「得点が概ね60%以上」とされています(実施機関の公表による。受検年度の最新情報を必ずご確認ください)。

合格の設計|満点ではなく「落とさない」

合格に必要なのは、全体の60%です。満点は要りません。

現実的な合格設計は、こうです。

  • 問題2・3(工程表・法規):正解が一意。最優先で固める。ここを確実に取る
  • 問題1(施工要領図):○×は知識で一意に決まる。改善策の記述は型が効く。費用対効果が最も高い
  • 問題4or5(選択記述):最大配点だが採点に裁量が入る。満点は狙わず、型どおりに書いて部分点を確実に積む

特定分野に賭けるのではなく、一意に決まる領域を固め、記述は型で減点を防ぐ。これが最も確実です。とくに工程表・法規は落とすと取り返しがつきにくいので、直前期はここから固めてください。

独学で戦えると考える理由

正直にお話しすると、管工事=空調・給排水衛生は私の本職です。だからこそ、独学の落とし穴も、独学で受かるために何が要るかも、身をもって分かっています。

工程表・法規・○×は、過去問を中心に何度も繰り返せば、独学で十分に対応できます。ここは正解が一意なので、市販の問題集で戦えます。

しかし、選択問題の記述(留意事項・試運転調整)だけは、独学で対策しきるのが難しいと感じます。なぜなら、正解が公表されず、「加点される書き方/減点される書き方」を独学では見る機会がないからです。

独学者には、添削してくれる講師も、参考にできる合格答案もありません。自分の記述が合格レベルなのかどうか、判断する基準を持てないまま本番を迎えることになります。ここに、独学者の最大の壁があります。

だからこそ、独学で二次を受けるなら、模範解答と採点の考え方がついた教材で「受かる答案の型」を先に知っておくことが決定的に重要になります。

記述は「①事前確認 → ②実施内容 → ③事後検査」の型で書く

令和6年度以降の記述(留意事項・試運転調整)は、次の骨格で書きます。

  • ① 事前確認(着手前に何を確認・準備するか)
  • ② 実施内容(施工で具体的に何を・どうするか。機器・数値・工法で書く)
  • ③ 事後検査/確認方法(どう検査・確認して品質を担保するか)

重要なのは、抽象語で終わらせないことです。「注意する」「徹底する」で終わる記述は減点されます。管工事の現場管理者として、何を・どうしたのかを、機器・数値・工法など具体的な言葉で書けているか。ここが採点の見るポイントです。

そして令和6年度からは、問題文で設備条件が与えられます。用意した骨格を、その条件に合わせて組み替える柔軟さが必要です。だからこそ「一本の完成文の暗記」ではなく「型の習得」が効きます。

もう一つ、意外な落とし穴が除外指定です。「〇〇は除く」と設問で指定された内容を書いてしまうと、どれだけ良い記述でも得点になりません。最初に除外指定へ線を引く癖をつけるだけで、失点が減ります。

管工事特有の主役|ネットワーク工程表と施工要領図

管工事の二次には、他の施工管理技士と比べても特徴的な問題があります。

ネットワーク工程表(問題2) 所要工期、クリティカルパス、各種フロート(全余裕・自由余裕)、工期短縮といった計算が出ます。前進計算(最早時刻)→後退計算(最遅時刻)→フロート、という手順は毎回同じで、手順を体に入れれば満点が狙える唯一の問題です。年度によって問われ方(工期延長・イベント最少のCPなど)が変わるので、複数パターンを演習しておくのが安全です。

施工要領図(問題1) 支持・据付け、配管・ダクト、保温・防食などの図を見て、○×判定と改善策の記述を行います。○×は「向き・数値・位置」の観点で切ると速く正確に判定できます。改善策は、不適切箇所→あるべき姿→理由、の型で短くまとめます。

この一意に決まる部分(工程表・法規・○×)は、過去問を中心に繰り返して対策するのが王道です。出題パターンが定型なので、繰り返すほど確実に得点できます。裏を返せば、ここを固めずに記述だけに頼るのは危険だということでもあります。

独学者こそ、本試験形式の模擬試験で受かる型を知る

二次対策を始めるなら、最初におすすめしたいのが本試験形式の模擬試験です。

記述対策は、知識を増やすだけでは足りません。実際の試験時間(3時間)の中で、施工要領図・工程表・法規・選択記述を解ききる。この経験を積むことで、初めて自分の課題が見えてきます。

私が制作した模擬試験は、独学者が持てない「受かる答案の基準」を補うために作りました。

収録内容

  • 問題冊子(施工要領図・ネットワーク工程表・法規・選択記述を本試験形式で)
  • 模範解答・採点ポイント・自己採点用の解説

模範解答と採点ポイントがついているので、「自分の答案が、合格レベルと比べてどこが足りないか」を自分で確認できます。

まずは1回、時間を測って解いてみてください。演習量を増やしたい方には、5回分をまとめたセット(バンドル)もあります。

【本命】記述の「型」を体系的に学ぶ|記述マスター

模擬試験は「解いて試す」教材です。一方で、「なぜ減点されるのか」「どう書けば加点されるのか」という書き方そのものは、問題を解く回数だけでは身につきません。模試を5回解いても、除外指定を読み落とす癖や、「注意する」で文を終える癖は直りません。

そこで、令和元〜7年の7年分の出題形式を分析し、令和6年度からの形式変更に対応して「型」に落とし込んだのが記述マスターです。

記述マスターの中身(全8章+巻末付録)

  • 第1章:二次検定の構造と採点の考え方(4問題の得点戦略。満点でなく「落とさない」設計)
  • 第2章:問題1 施工要領図の攻略(○×判定の切り方、系統図の改善策の型)
  • 第3章:ネットワーク工程表の完全パターン化(前進・後退計算、フロート、工期短縮。演習3種)
  • 第4章:労働安全衛生法の攻略(7年分の頻出条文、穴埋めの狙われ方、数値暗記表)
  • 第5章:選択問題の「型」(設備概要の読み方、除外指定、留意事項・機器の特徴・総合試運転調整)
  • 第6章:空調設備 引き出し集(熱源・冷却塔・AHU・送風機・ダクト・保温など、機器別の記述例)
  • 第7章:給排水衛生設備 引き出し集(受水槽・給水ポンプ・給湯・排水通気・消火など、機器別の記述例)
  • 第8章:NG例と記述テンプレート集(禁句と変換テーブル、やりがちな失敗、テンプレート)
  • 巻末付録:完成答案例6本

記述の型だけでなく、空調・給排水衛生の機器別「引き出し」から、工程表・法規・施工要領図まで、二次の攻略を1冊に凝縮しています。独学者が持ちにくい「受かる答案の基準」を、この1冊で先に手に入れられます。

模試より高い価格をつけている理由

記述マスターは、模試5回のバンドルより高い価格です。問題数では模試のほうが多いのに、なぜか。それは、模試を解いても身につかない「書き方」そのものを扱うからです。模擬試験が「試す場」、記述マスターが「型を身につける場」。順序としては、記述マスターで型を学んでから模試で試すのが効率的です。両方そろえれば、独学でも「型を学ぶ→試す→直す」のサイクルが回せます。

AIを使うと、独学の対策はさらに効率化できる

私は現在、NotebookLMやChatGPTなどの生成AIも活用しています。

  • NotebookLMで過去問や参考資料(公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編 など)を整理する
  • ChatGPTで記述の添削、専門用語の確認、工程表の考え方の整理を行う

この流れで、独学でも「添削に近い環境」を作れるようになりました。かつて講師の添削が必要だった部分を、AIである程度カバーできる時代です。

ただし、AIは万能ではありません。管工事特有の数値・基準(仕様書・SHASE-S等)は誤ることもあるため、最終的には一次資料で確認する姿勢が必要です。

実際に使っているプロンプトや、AIで一次・二次を攻略する方法は、別のnoteで詳しく紹介しています。

よくある質問

令和6年度の形式変更で、対策はどう変わりましたか? 施工経験記述(自分の工事を書く問題)が廃止され、ネットワーク工程表が必須になり、記述は与えられた設備条件に対して書く形式になりました。丸暗記した経験文を書く対策は通用しません。工程表・法規を確実に固め、記述は「型」で書くのが近道です。

独学だけで本当に合格できますか? できます。工程表・法規・○×は正解が一意なので、過去問反復で独学でも十分固められます。選択記述だけは「加点される型」を知る必要があるため、模範解答と採点ポイントのある教材で型を学ぶのが近道です。

ネットワーク工程表が苦手です。 前進計算→後退計算→フロート、の手順は毎回同じです。手順を覚えて複数パターンを演習すれば、満点が狙える得点源になります。苦手意識より、手順の反復が効きます。

空調と給排水衛生、どちらの選択問題で受けるべきですか? 難易度に大きな差はなく、構造も同じ(留意事項+機器の特徴+総合試運転調整)です。自分の実務や得意な方を、開始直後に決めて臨むのが安全です。記述マスターは両方に対応しています。

まとめ|二次検定は「受かる型」を知れば独学で戦える

1級管工事施工管理技士の二次検定は、独学でも十分に合格を目指せます。ただし、一次のように知識を覚えるだけでは合格できません。

  • 令和6年度の形式変更(経験記述廃止・工程表必須化・条件指定の記述)に対応する
  • 工程表・法規という一意に決まる分野を、最優先で確実に固める
  • 記述は「①事前確認→②実施内容→③事後検査」の型で、除外指定を守って書く
  • 満点ではなく「落とさない」設計で、部分点を積む

そして、独学者が持ちにくい「受かる答案の型」を、模範解答と採点ポイントで先に知っておくこと。それが合格への近道です。

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