施工管理技士の一次検定は独学で合格できる|4資格の出題数・合格ライン・勉強法【令和8年度】

  • URLをコピーしました!

一次検定の勉強は、突き詰めると「過去問題集を1冊、繰り返し解く」に尽きます。

私は施工管理技士を4資格(建築・電気工事・管工事・電気通信工事)取得していますが、一次検定はいずれもこのやり方で通しました。特別な講座も、分厚い基本書も使っていません。

ただし、独学を始める前に自分が受ける資格の数字を正確に知っておくことだけは必要です。ここを間違えたまま走ると、必要のない範囲まで勉強することになります。

この記事では、建築・電気工事・管工事・電気通信工事の4資格について、令和7年度の公表データをもとに出題数・合格ライン・捨てていい問題数を並べて整理します。

目次

結論:4資格すべて「60問解答・36問正解」で合格

最初に、4資格に共通する事実を3つ挙げます。

  1. 解答する問題数は、4資格とも60問
  2. 合格ラインも、4資格とも36問正解(60%)
  3. 出題数だけが資格ごとに違う(72問〜90問)

つまり資格ごとに違うのは「何問を捨てられるか」だけです。ゴールは全資格で同じ36問。

資格別の出題数と「捨てられる問題数」(令和7年度実績)

資格出題数解答数選ばずに捨てられる問題合格ライン
1級建築施工管理技士72問60問12問36問正解
1級電気工事施工管理技士89問60問29問36問正解
1級管工事施工管理技士73問60問13問36問正解
1級電気通信工事施工管理技士90問60問30問36問正解

数字の出典は、各実施機関が公表している令和7年度の正答肢です。正答肢のPDFには「◯問出題し、そのうち60問解答を要する試験」「◯問題のうち◯問題を選択し解答」がそのまま書かれています。

お詫びと訂正 この記事の旧版(資格ごとに4本に分かれていた頃)では、4本とも「92問中60問を選択して36問以上正答」と書いていました。92問は令和5年度以前の電気工事の数字で、他の3資格には当てはまりません。数字を確認せずに他資格の記事へ流用してしまったものです。今回、4資格を1記事に統合するにあたり、すべて公表資料で取り直しました。

応用能力問題だけは「別枠の足切り」がある

令和3年度の制度改正で入った**施工管理法(応用能力)**は、全体の36問とは別に、そこだけで基準を満たす必要があります。ここを落とすと、総得点で36問を超えていても不合格です。

資格応用能力の問題数必要正解数出題位置(令和7年度)
1級建築施工管理技士10問6問以上(60%)問51〜60(五肢択一)
1級電気工事施工管理技士6問3問以上(50%)問55〜60
1級管工事施工管理技士8問4問以上(50%)問題B No.22〜29(複数解答)
1級電気通信工事施工管理技士5問2問以上(40%)問題B No.31〜35

出典:国土交通省「令和7年度技術検定の合格基準について(確定版)」

この足切りは資格によって重さがまるで違います。
建築施工は10問中6問(60%)と全体の基準と同じ厳しさですが、電気通信は5問中2問(40%)です。
建築施工を受ける方は、応用能力問題を「捨てる候補」に入れてはいけません。

令和7年度の合格率

資格受検者数合格者数合格率
1級建築施工管理技士41,812人20,294人48.5%
1級電気工事施工管理技士24,821人10,290人41.5%
1級管工事施工管理技士23,826人9,224人38.7%
1級電気通信工事施工管理技士8,616人5,960人69.2%

※建築施工の数値には、令和8年1月25日に実施された臨時試験の結果が含まれます。

合格率は年度でかなり振れます。ただ4割前後は受かる試験であることは動きません。60%の正答率で合格という基準は、技術系の国家資格としてはかなり緩い部類です。

資格別:出題構成と、どこを捨てるか

ここからは資格ごとの中身です。自分が受ける資格の項だけ読んでください。

数字はすべて令和7年度の正答肢に記載された区分に基づいています。

1級建築施工管理技士(72問/必須31問・選択29問)

区分問題番号出題解答種別
午前問1〜66問6問必須
午前問7〜159問6問選択
午前問16〜205問5問必須
午前問21〜3010問8問選択
午前問31〜4010問7問選択
午前問41〜444問4問必須
午後問45〜506問6問必須
午後問51〜6010問10問必須(応用能力・五肢択一)
午後問61〜7212問8問選択
72問60問必須31・選択29

捨てどころ:選択枠は41問出題されて29問しか解答しません(9+10+10+12=41問中29問)。ここで12問を落とせます。

捨ててはいけないところ:問51〜60の応用能力10問。ここだけで6問正解が必要です。しかも五肢択一なので、他の四肢択一より当てずっぽうが効きません。建築施工は4資格の中で応用能力の負担が最も重いと考えてください。

1級電気工事施工管理技士(89問/必須21問・選択39問)

区分問題番号出題解答種別
午前問1〜66問6問必須
午前問7〜126問4問選択
午前問13〜4432問14問選択
午前問45〜528問5問選択
午前問53〜542問2問必須
午後問55〜606問6問必須(応用能力)
午後問61〜677問7問必須
午後問68〜769問6問選択
午後問77〜8913問10問選択
89問60問必須21・選択39

捨てどころ:問13〜44の32問中14問という枠が圧倒的です。**18問を捨てられます。**電気工事は4資格で最も選択の自由度が高く、専門外の分野を丸ごと避けられます。

捨ててはいけないところ:必須は21問しかありません。問1〜6、問53〜54、問55〜60、問61〜67。この21問は逃げ場がないので、優先的に潰してください。

1級管工事施工管理技士(73問/必須38問・選択22問)

区分問題番号出題解答種別
問題ANo.1〜1414問14問必須
問題ANo.15〜3723問12問選択
問題ANo.38〜447問7問必須
問題BNo.1〜99問9問必須
問題BNo.10〜2112問10問選択
問題BNo.22〜298問8問必須(応用能力)
73問60問必須38・選択22

注意点:管工事は必須が38問と4資格で最も多い構成です。捨てられるのは13問しかありません。「選択問題で逃げる」戦略が最も効きにくい資格です。

現実的な組み立て:必須38問で25問(66%)取れれば、選択22問は11問で足ります。逆に必須が23問しか取れないと、選択22問中13問が必要になります。必須の出来がそのまま楽さに直結するので、必須枠から先に固めてください。

1級電気通信工事施工管理技士(90問/必須7問・選択53問)

区分問題番号出題解答種別
問題ANo.1〜1919問14問選択
問題ANo.20〜4728問14問選択
問題ANo.48〜558問5問選択
問題BNo.1〜22問2問必須
問題BNo.3〜1614問8問選択
問題BNo.17〜3014問12問選択
問題BNo.31〜355問5問必須(応用能力)
90問60問必須7・選択53

捨てどころ必須はわずか7問。4資格で群を抜いて選択の自由度が高い構成です。特に問題A No.20〜47は28問中14問、つまり半分を捨てられます。

電気通信を受ける方へ(実体験):私は初年度に受験しました。午前が終わった時点で「落ちたな」と思うくらいできませんでしたが、午後は嘘のように解けました。前年に電気工事を受けていたため、法規と施工管理法がそのまま出てきたからです。結果は午前40%(14問)、午後80%(22問)の合計36問、ギリギリの合格でした。

電気工事や管工事を持っている方は、午後(問題B)で稼げます。関連設備・施工管理法・法規は、他資格の過去問がそのまま対策になります。午前の出来が悪くても諦めないでください。

独学の勉強法(4資格共通)

3,000円の過去問題解説集を1冊、5年分繰り返す

やることはこれだけです。年度別に5年分収録された過去問題解説集を1冊買い、間違えた問題の解説を読み込んで、また解く。

一次検定は過去と同じ問題構成が繰り返し出ます。「誤っているものを選べ」というパターン化された出題が多く、内容を完全に理解していなくても解答できるようになります。

答えがわからなくても、解説を読めば理解できる程度の難易度です。分厚い基本書は要りません。

年度順ではなく「分野別」に解く

過去問題集は、最初のページに昨年度の問題が並び、以降年度が繰り下がっていく構成になっています。

これを1問目から順に解くのは効率が悪いです。いろいろな分野が入り混じるので記憶に残りません。

おすすめは「同じ分野の問題だけを、年度をまたいで縦に解く」やり方です。

たとえば管工事なら給水給湯の問題は毎年ほぼ同じ問題番号にあります。そこだけを5年分、続けて解く。年度ごとの違いや出題の傾向がつかめますし、同じ分野が続くので記憶に残ります。

何問取ればいいかを逆算する

満点を狙う試験ではありません。36問取れれば受かります。

やり方はシンプルです。

  1. 必須問題で何問取れるかを見積もる
  2. 36問から引く
  3. 残りを選択問題で拾う

たとえば管工事なら、必須38問のうち25問取れる見込みなら、選択22問で11問取れば合格です。建築施工なら、必須31問で20問取れる見込みなら、選択29問で16問。

この逆算をやっておくと、勉強中に「今どのくらいの位置にいるか」がわかります。闇雲に全範囲をやるより、精神的にずっと楽です。

試験1ヶ月前からでも間に合う

問題集1冊で解ける問題数を、資格別に計算しておきます(5年分収録の場合)。

資格5年分の総問題数1日30問なら1周解答対象だけに絞った場合
建築施工(72問/年)360問12日300問=10日
電気工事(89問/年)445問15日300問=10日
管工事(73問/年)365問13日300問=10日
電気通信(90問/年)450問15日300問=10日

1日30問なら、どの資格でも2週間で1周できます。1ヶ月あれば2周、捨てる分野を決めて解答対象の60問分に絞れば3周は回せます。

とはいえ、余裕を見るなら2ヶ月前からが現実的です。1ヶ月は「間に合う下限」であって、推奨ではありません。

捨てる問題を先に決める

苦手な分野は、やらなくて構いません。

  • 建築施工なら72問中12問
  • 電気工事なら89問中29問
  • 管工事なら73問中13問
  • 電気通信なら90問中30問

これだけの問題を、そもそも読まずに飛ばせます。「完璧に解ける問題が36問あればいい」と考えると、気持ちがかなり楽になります。

ただし繰り返しますが、応用能力問題だけは捨てられません。ここは全資格で必須です。

一次が終わったら、勝負は二次

一次検定は過去問の反復で越えられます。本当に差がつくのは二次検定です。

二次検定の記述問題には、公表された正答がありません。採点者は「模範解答と一致するか」ではなく、「この受験者は現場を管理できる人間か」を文章から判断しています。だからこそ、書き方の型が決定的に効きます。

私は4資格それぞれについて、令和元年度〜令和7年度の7年分の出題形式を分析し、記述の型と採点ポイントに特化した教材を作りました。型は資格ごとに違います。

資格記述の型
1級建築施工管理技士①工種 → ②管理項目+理由 → ③実施内容(事前確認+事後検査)
1級電気工事施工管理技士①問題点 → ②理由 → ③対策(2つ・具体的・重複させない)
1級管工事施工管理技士①事前確認 → ②実施内容 → ③事後検査(確認方法)
1級電気通信工事施工管理技士①課題(何が起きるおそれがあったか) → ②対策(事前確認+事後検査の2段) → ③結末(結果・評価)

👉 1級管工事施工管理技士 二次検定 対策マガジン
👉 1級建築施工管理技士 二次検定 対策マガジン
👉 1級電気工事施工管理技士 二次検定 対策マガジン
👉 1級電気通信工事施工管理技士 二次検定 対策マガジン

1級管工事施工管理技士 二次検定対策
1級電気通信工事施工管理技士 二次検定 勉強方法
1級電気工事施工管理技士 二次検定 勉強方法
1級建築施工管理技士 二次検定 勉強方法

令和8年度の試験日程

資格第一次検定一次合格発表第二次検定二次合格発表
1級建築施工管理技士7月19日(日)※実施済8月25日(火)10月18日(日)令和9年1月8日(金)
1級電気工事施工管理技士7月12日(日)※実施済8月25日(火)10月18日(日)令和9年1月8日(金)
1級管工事施工管理技士9月6日(日)12月6日(日)
1級電気通信工事施工管理技士9月6日(日)12月6日(日)

実施機関

  • 建築施工管理・電気工事施工管理:一般財団法人 建設業振興基金
  • 管工事施工管理・電気通信工事施工管理:一般財団法人 全国建設研修センター

最新の日程・受検資格は必ず各実施機関の公式サイトでご確認ください。

1級施工管理技士を取得するメリット

監理技術者として配置できる

公共工事の現場所長・監理技術者になれます。現場での立場が変わります。

経営事項審査で加点される

経営事項審査(経審)の技術力評点で、1級施工管理技士は1人あたり5点が加算されます。会社の評点が上がるということは、あなた個人の社内評価も上がるということです。資格手当、昇給、役職への査定にそのまま効いてきます。

有資格者は慢性的に不足している

4資格とも、持っている技術者は足りていません。転職市場でも、資格の有無で提示される条件が変わります。

まとめ

  • 4資格すべて、解答60問・合格36問正解(60%)。ゴールは同じ
  • 違うのは出題数(72〜90問)=捨てられる問題数だけ
  • 応用能力問題は別枠の足切り。建築施工10問中6問が最も重く、電気通信5問中2問が最も軽い
  • 対策は3,000円の過去問題解説集1冊を5年分、分野別に回す
  • 1ヶ月前からでも間に合うが、余裕を見るなら2ヶ月前から
  • 苦手分野は捨ててよい。完璧に解ける36問を作る
  • 一次が終わったら、すぐ二次へ切り替える。差がつくのは二次

一日のスキマ時間を上手く使って、合格を目指してください。

免責事項

  • 本記事に記載した出題数・合格基準・合格率は、各実施機関および国土交通省が公表した令和7年度の資料に基づく数値です。出題数は年度によって変わりますので、受検年度の最新情報を必ず各実施機関の公式サイトでご確認ください。
  • 本記事は各試験の実施機関(一般財団法人 建設業振興基金/一般財団法人 全国建設研修センター)とは一切関係がなく、監修・認定を受けたものではありません。
  • 本記事は検定問題の転載ではありません。
  • 合格を保証するものではありません。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次