一次検定に合格された皆さん、おめでとうございます。
ただ、本当の勝負はここからです。
二次検定は、一次検定とは出題形式も評価基準も大きく異なります。知識を問う一次に対し、二次では「施工管理の考え方を、どう説明できるか」が問われます。 そして多くの人が、ここでつまずきます。理由は「知識不足」ではなく「書き方」です。
私は現場で施工管理に携わりながら、1級電気工事・建築・管工事・電気通信工事の施工管理技士4資格を取得しました。電気工事の二次は、市販テキストのみの独学で合格しています。 この記事では、私自身が電気工事施工の二次に合格した経験をもとに、独学で二次を突破する方法を、正直にお伝えします。
まず知っておきたい|令和6年度から出題形式が変わりました

対策を始める前に、必ず押さえておくべき変更があります。
1級電気工事施工管理技士の二次検定は、令和6年度から出題形式が見直されました。
- 従来あった「工事概要を記入する欄」が廃止された
- 施工経験記述は、設問文で状況が指定される形式になった
- 用意した文章をそのまま書くのではなく、指定された状況に合わせて組み替える力が問われるようになった
つまり、「自分の経験を一本だけ文章化して丸暗記し、当日それを書き写す」という従来の対策が通用しにくくなったということです。
必要なのは「完成した一本の文章」ではなく、「どんな状況にも組み替えられる骨格=型」です。 この記事では、その型の考え方を中心にお伝えします。
1級電気工事 二次検定の出題構成
二次検定は6問構成、試験時間は3時間(13時〜16時)です。
- 問題1・2:施工経験記述(工程管理・安全管理などの管理テーマ。2問出る)
- 問題3:安全管理または品質管理に関する記述
- 問題4:電気工事用語の技術的内容(複数から選んで記述)
- 問題5:電気設備の計算(五肢択一)
- 問題6:法規(建設業法・電気事業法など)の穴埋め
ここで注目したいのは、施工経験記述が2問あることです。建築施工など他の施工管理技士と違い、電気は経験記述の比重が特に大きい。ここが合否を分けます。
一方で、問題5(計算)と問題6(法規)は、出題パターンや対象法令がほぼ固定されています。ここは事前準備がそのまま得点になる、確実な得点源です。
合格の設計|満点ではなく「落とさない」
合格に必要なのは、全体の60%です。満点は要りません。
現実的な合格設計は、こうです。
- 問題5・6(計算・法規):定型なので最優先で固める。ここを確実に取る
- 問題4(電気用語):書ける用語を8〜10語準備しておけば十分
- 問題1・2(経験記述):満点は狙わず、型を守って減点を防ぐ
特定分野に賭けるのではなく、各分野で6〜8割を安定して取る。これが最も確実です。とくに計算・法規は落とすと取り返しがつきにくいので、直前期はここから固めてください。
私が二次に受かった本当の理由
正直にお話しすると、私は電気工事の二次を、市販テキストのみの独学で合格しました。講習会にも通わず、添削も受けていません。
だからこそ、独学の落とし穴も、独学で受かるために何が要るかも、身をもって分かっています。
用語・計算・法規は、過去問を中心に何度も繰り返せば、独学で十分に対応できました。ここは市販の問題集で戦えます。 しかし施工経験記述だけは、独学で対策しきるのが難しいと感じました。なぜなら、正解が公表されず、「受かる答案の型」を独学では見る機会がないからです。
私は幸い、後述する自分の実務経験を経験記述に活かせたので合格できましたが、「自分の答案が合格レベルなのか」を確かめる術がないまま本番を迎える不安は、独学者なら誰もが感じるはずです。
独学者には、添削してくれる講師も、参考にできる合格答案もありません。 自分の答案が合格レベルなのかどうか、判断する基準を持てないまま本番を迎えることになります。
だからこそ、独学で二次を受けるなら、模範解答と採点基準がついた教材で「受かる答案の型」を先に知っておくことが決定的に重要になります。




施工経験記述は「①問題点→②理由→③対策」の型で書く
令和6年度以降の経験記述は、次の骨格で書きます。
(どんな課題に直面したか)
(なぜそれが問題だったのか)
(自分がどう対応したか。2つ・具体的に・重複させない)




重要なのは、対策の書き方です。 「注意した」「徹底した」といった抽象語で終わる答案は、減点されます。電気工事の現場管理者として、何を・どうしたのかを、機器・数値・工法など具体的な言葉で書けているか。ここが採点者の見るポイントです。
私自身は設備サブコンの人間で、電気工事が本職ではありません。それでも経験記述は書けました。
理由は、設備工事の中に電気に近い経験があったからです。 たとえば、空調工事に含まれる動力電源工事では、動力盤の据付、ケーブルラック、電線管の施工を経験していました。また、自動制御工事は電気工事に近い部分が多く、そうした経験を経験記述の題材にしました。
もしあなたが「電気が専門ではないから不利かもしれない」と感じているなら、心配しすぎる必要はありません。 動力・制御・電源まわりの経験があれば、それを電気工事の管理経験として記述に落とし込めます。二次で問われるのは、専門家としての深い知識より、施工管理者として現場をどう管理し、どう判断したかを説明する力だからです。
そして令和6年度からは、設問で状況が指定されます。用意した骨格を、その状況に合わせて組み替える柔軟さが必要です。だからこそ「一本の完成文の暗記」ではなく「型の習得」が効きます。
この「型」は、独学で一から編み出そうとすると時間がかかります。何が加点され、何が減点されるのかを知らないまま書き続けても、自分の癖に気づけないからです。受かる答案の型を、先に知ってしまうのが近道です(後半で、その型をまとめた教材を紹介します)。
電気特有の関門|用語記述と計算
電気工事の二次には、他の施工管理技士にはない関門があります。
電気工事用語の記述 電気工事に関する用語から複数を選び、その技術的内容を記述します。出題範囲は発電・送配電・受変電・保護継電器・施工・通信防災など幅広いですが、過去に出題実績のあるものが中心です。書ける用語を事前に準備しておけば、確実な得点源になります。
電気設備の計算 短絡電流、電圧降下、力率改善、合成抵抗など、電気特有の計算が出ます。これらは出題パターンが定型なので、解き方の手順を身につければ得点できます。建築施工のネットワーク工程表とは全く別の、電気ならではの対策が必要です。 <!– 用語・計算:実体験 –>
この学科的な部分(電気用語の記述・計算・法規)は、私は過去問を中心に何度も繰り返して対策しました。 出題パターンが定型なので、繰り返すほど確実に得点できるようになります。独学でも、ここは市販の過去問集で十分に戦える領域です。裏を返せば、ここを固めずに記述だけに頼るのは危険だということでもあります。
独学者こそ、本試験形式の模擬試験で受かる型を知る




二次対策を始めるなら、最初におすすめしたいのが本試験形式の模擬試験です。
記述対策は、知識を増やすだけでは足りません。 実際の試験時間の中で、経験記述2問・用語・計算・法規を解ききる。この経験を積むことで、初めて自分の課題が見えてきます。
私が制作した模擬試験は、独学者が持てない「受かる答案の基準」を補うために作りました。
収録内容
- 問題冊子(経験記述・用語記述・計算・法規を本試験形式で)
- 模範解答・採点基準・自己採点用の解説
模範解答と採点基準がついているので、「自分の答案が、合格レベルと比べてどこが足りないか」を自分で確認できます。




まずは1回、時間を測って解いてみてください。演習量を増やしたい方には、5回分をまとめたセット(バンドル)もあります。




【本命】記述の「型」を体系的に学ぶ|記述マスター
模擬試験は「解いて試す」教材です。 一方で、「なぜ減点されるのか」「どう書けば加点されるのか」という書き方そのものは、問題を解く回数だけでは身につきません。模試を5回解いても、除外指定を読み落とす癖や、「注意する」で文を終える癖は直りません。何が減点され何が加点されるのかを知らないまま解き続けても、同じ答案を5回書くだけになってしまいます。
そこで、令和元〜7年の7年分の出題を分析し、「型」に落とし込んだのが記述マスターです。
記述マスターの中身(全7章+巻末付録)
- 第1章:二次検定の構造と採点の考え方(6問の得点戦略。満点でなく「落とさない」設計)
- 第2章:施工経験記述の「型」(①問題点→②理由→③対策)
- 第3章:テーマ別攻略(工程・安全・品質・環境)
- 第4章:電気工事用語の記述(頻出60語を分野別に)
- 第5章:電気設備の計算(短絡電流・電圧降下・力率改善などの手順)
- 第6章:法規・択一の攻略(建設業法・電気事業法の頻出パターン)
- 第7章:NG例と記述テンプレート集
- 巻末付録:完成答案例
経験記述の型だけでなく、電気特有の用語・計算・法規まで、二次記述の攻略を1冊に凝縮しています。独学者が持ちにくい「受かる答案の基準」を、この1冊で先に手に入れられます。




記述マスター(7,800円)は、模試5回のバンドル(6,000円)より高い価格です。問題数では模試のほうが多いのに、なぜか。それは、模試を解いても身につかない「書き方」そのものを扱うからです。 模擬試験が「試す場」、記述マスターが「型を身につける場」。順序としては、記述マスターで型を学んでから模試で試すのが効率的です。両方そろえれば、独学でも「型を学ぶ→試す→直す」のサイクルが回せます。
AIを使うと、独学の記述対策はさらに効率化できる




私は現在、NotebookLMやChatGPTなどの生成AIも活用しています。
- NotebookLMで過去問や参考資料を整理する
- ChatGPTで経験記述の添削、電気用語の確認、計算の解説を行う
この流れで、独学でも「添削に近い環境」を作れるようになりました。かつて講師の添削が必要だった部分を、AIである程度カバーできる時代です。




ただし、AIは万能ではありません。電気特有の専門的な内容は誤ることもあるため、最終的には公式資料や基準で確認する姿勢が必要です。
実際に使っているプロンプトや、AIで一次・二次を攻略する方法は、別のnoteで詳しく紹介しています。




よくある質問
- 令和6年度の形式変更で、対策はどう変わりましたか?
-
工事概要を書かせる欄が廃止され、設問で状況が指定されるようになりました。丸暗記した文章をそのまま書く対策が通用しにくくなり、状況に組み替えられる「型」の習得が重要になっています。
- 独学だけで本当に合格できますか?
-
できます。計算・法規は定型なので独学で十分固められます。経験記述だけは「受かる型」を知る必要があるため、模範解答と採点基準のある教材で型を学ぶのが近道です。
- 経験記述が2問あるのが不安です。
-
2問とも「①問題点→②理由→③対策」という同じ型で書けます。テーマ(工程・安全など)が違うだけで、骨格は共通です。型を1つ身につければ、両方に対応できます。
- 電気の計算が苦手です。
-
短絡電流・電圧降下・力率改善など、出題パターンは定型です。解き方の手順を覚えれば、確実な得点源になります。苦手意識より、パターンの反復が効きます。
まとめ|二次検定は「受かる型」を知れば独学で戦える




1級電気工事施工管理技士の二次検定は、独学でも十分に合格を目指せます。 ただし、一次のように知識を覚えるだけでは合格できません。
- 令和6年度の形式変更(状況指定)に対応した「型」を身につける
- 経験記述2問を、①問題点→②理由→③対策の骨格で書く
- 計算・法規という定型分野を確実に固める
- 電気用語を事前に準備しておく
そして、独学者が持ちにくい「受かる答案の型」を、模範解答と採点基準で先に知っておくこと。それが合格への近道です。












一次検定の対策、他資格の二次対策、AI学習法については、以下の記事もあわせてどうぞ。




