この記事でわかること
- 一次/二次それぞれの受検資格
- 必要な実務経験年数
- 指導監督的実務経験とは何か
- 認められない工事・業務
- 重複期間の落とし穴
はじめに|受検資格でつまずく人が毎年いる
1級電気通信工事施工管理技士は、試験対策以前に「受検資格」で受けられない人が一定数います。
- 実務経験年数の勘違い
- 工事種別の誤認
- 指導監督1年不足
- 期間重複の二重計上
電気通信工事は比較的新しい区分のため、どの工事が対象になるのかの線引きで迷う方が特に多い分野です。
公式の手引きには制度が掲載されていますが、どの工事が対象外なのか、指導監督とは何を指すのか、どこで差戻しになりやすいのかまでは具体的に書かれていません。
この記事では、実務者の目線で受検資格を整理します。
なお、制度は改正が続いています。最終的な判断は必ず、実施機関である一般財団法人全国建設研修センターが公表する受検の手引で確認してください。
令和8年度の日程と、いま確認しておくこと
まず、現在の状況を整理します。
令和8年度(2026年度)の1級電気通信工事施工管理技術検定は、次の日程です。
- 申込受付:2026年5月7日〜5月21日(インターネット申込・終了)
- 第一次検定:2026年9月6日(日)
- 第二次検定:2026年12月6日(日)
- 一次の合格発表:2026年10月8日(木)
- 二次の合格発表:2027年3月3日(水)
受検手数料は第一次検定・第二次検定とも各14,300円(非課税)です。インターネット申込の場合は、別途250円の事務手続手数料がかかります。
試験地は、一次が札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・熊本・那覇の12地区(金沢と熊本は当面の間の臨時開催)、二次は金沢と熊本を除く10地区です。
令和8年度の申込は既に締め切られています。
いま受検資格を調べている方は、次のどちらかに当てはまるはずです。
申込を済ませていて、9月6日の一次に向けて準備している方。この場合、受検資格の確認は済んでいるので、対策の記事へ進んでください。一次が終われば、12月6日の二次まで約3ヶ月です。
もうひとつは、令和9年度以降の受検を考えている方。この場合、いま確認しておくべきは実務経験の積み上げ方です。年数が足りていても、工事種別や指導監督の要件を満たしていないと、申込の段階で差戻しになります。
電気通信は申込が5月と早いため、翌年度を狙う方は年明けには要件を確認しておくと安全です。
1級電気通信工事施工管理技士の受検資格
制度改正後のポイントはシンプルです。
第一次検定
- 令和8年度中における年齢が19歳以上
- 学歴要件なし
- 実務経験不要
年齢だけで受けられるため、まず一次のみ受検する方が増えています。一次に合格すると1級電気通信工事施工管理技士補になります。
なお、第一次検定のみの申込はインターネットのみで、申込用紙の販売はありません。
第二次検定
- 第一次検定に合格していること
- 所定の実務経験年数が必要
ここが最大のチェックポイントです。実務経験は「電気通信工事に関する施工管理業務」であることが前提になります。
実務経験は受検年度の基準日で計算します。不足分は、条件付きで第二次検定日の前日まで算入できる場合があります。
実務経験の条件
認められる実務経験
電気通信工事における、次のような業務です。
- 施工管理(工程・品質・安全・原価)
- 設計監理
- 発注者側の施工監督
対象となる工事の例を挙げます。
- 有線電気通信設備工事(構内配線、光ファイバ、メタルケーブル)
- 無線電気通信設備工事(携帯基地局、無線LAN、アンテナ)
- ネットワーク設備工事(LAN、ルータ、スイッチ)
- 情報通信設備工事(サーバ、データセンタ設備)
- 放送機械設備工事(テレビ共聴、CATV)
- 監視カメラ設備、入退室管理などのセキュリティ設備
- 構内交換設備(PBX)、電話設備
- 火災報知設備のうち通信に関する部分
電気通信工事は対象範囲が広い一方、隣接する区分との線引きが分かりにくい分野です。判断に迷う工事がある場合は、申込前に実施機関へ確認するのが確実です。
認められない業務
以下は原則として、電気通信工事施工管理の実務経験に含まれません。
- 電気工事(受変電、動力、照明などの強電)
- 建築工事
- 管工事
- 土木工事
- 設計のみ
- 積算のみ
- ソフトウェア開発、システム開発のみ
- 保守・運用のみ
- 営業・事務のみ
- 単純作業のみ
重要なのは、施工管理に従事しているかどうかです。
ここで注意が必要なのは、電気工事との線引きです。同じ「電気」でも、受変電設備や動力・照明などの強電は電気工事、通信に関わる弱電が電気通信工事という区分になります。設備会社に所属していても、担当が強電中心であれば電気通信の実務経験にはなりません。
もうひとつ迷いやすいのが、IT系の業務です。ネットワーク機器の設置・配線工事は電気通信工事に該当しますが、システムの構築やソフトウェアの導入だけでは工事の施工管理とは扱われません。物理的な設備の施工を管理していたかどうかが分かれ目です。
所属する会社の業種ではなく、自分が何を管理していたかで判断されます。
学歴別|必要実務経験年数(旧受検資格)
旧受検資格が適用される場合の必要年数です。
| 学歴 | 指定学科 | 必要年数 |
|---|---|---|
| 大学 | 指定 | 3年以上 |
| 大学 | 非指定 | 4年6ヶ月以上 |
| 短大・高専 | 指定 | 5年以上 |
| 高校 | 指定 | 10年以上 |
| 学歴不問 | ― | 15年以上 |
すべてに、1年以上の指導監督的実務経験が必要です。
指定学科の一覧は、全国建設研修センターの公式ページで公表されています。電気通信工事は比較的新しい区分のため、自分の学科が該当するか判断に迷う場合は、必ず一覧で確認してください。
指導監督的実務経験とは
次の立場での経験が該当します。
- 現場代理人
- 主任技術者
- 工事主任
- 設計監理者
- 施工監督
部下や下請に対して、技術面を総合的に指導監督した経験が1年以上必要です。単なる担当者としての経験では不足するケースがあります。
判断に迷いやすいのは、役職名ではなく実態で見られる点です。肩書きがなくても、実際に下請の技術者へ指示を出し、工事全体を取りまとめていたのであれば該当する可能性があります。逆に、主任技術者として登録されていても、実態が補助業務であれば認められないことがあります。
証明書には、その立場で何をしていたかが分かるように書く必要があります。
実務経験計算の注意点
重複期間は二重計上できません
同時期に複数の工事を担当していても、重複部分は1回分のみカウントします。
例えば、
- 1月〜6月 A工事
- 4月〜9月 B工事
この場合、実務経験は9ヶ月ではなく8ヶ月です。1月から9月までの実期間が8ヶ月分ということになります。
電気通信工事は小規模な案件を並行して担当することが多く、ここで差戻しになるケースは少なくありません。年数がぎりぎりの方は、必ず実期間で計算し直してください。
実務経験証明書の書き方が不安な方へ
実務経験証明は、記載内容・証明者・工事該当性まで審査されます。提出前に落ちやすいポイントを確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 1級施工管理技士|実務経験証明で差戻しになる理由と正しい書き方
旧制度はいつまで
第二次検定は、令和6年度から令和10年度までの5年間、制度改正に伴う経過措置として、令和6年度からの新受検資格と令和5年度までの旧受検資格のどちらでも受検できます。
令和11年度以降は旧受検資格が廃止される予定です。
なお、申込締切後に検定区分および新旧受検資格を変更することはできません。どちらで申し込むかは、事前に確定させておく必要があります。
海外学歴・海外実務の場合
建設業法に基づき建設業の許可を受けた者が日本国外で請負う建設工事の実務経験であれば、国内の実務経験と同様に認められます。この場合は、建設業の許可書の写し等を受検申請書に同封します。
それ以外の国外における実務経験については、国土交通大臣に事前に個別申請し、認定書の交付を受けることで受検できます。ただし、申請者の現住所が国外の場合は申請できません。
審査には時間がかかるため、該当する方は早めに確認してください。電気通信は申込が5月中旬までと早いため、申込直前に気づくとその年度の受検に間に合いません。
受検資格を満たしたら次にやること
受検資格を確認できたら、次は対策です。
ここで多いのが、次のような状態です。
- 何から始めればいいか分からない
- 独学で途中で止まる
- 二次の記述でつまずく
電気通信は一次が9月6日、二次が12月6日で、その間が約3ヶ月しかありません。一次が終わってから二次の対策を始めると、時間が足りなくなります。
一次検定が近い方へ
9月6日の一次に向けて、本試験と同じ構成の模擬試験を用意しています。試験問題A55問・B35問、90問中60問を解答する形式で、全問に解説をつけました。
この試験の特徴は、選択の自由度が非常に大きいことです。とくに問題Aは全問が選択問題で、どの30問を捨てるかがそのまま得点に直結します。その判断を当日ぶっつけで行うと、時間が足りません。
また、一次には全体60%に加えて、施工管理法(応用能力)で40%以上という条件があります。応用能力はわずか5問なので、1問の重みが大きくなります。

独学で二次を受ける方へ
電気通信の第二次検定は、他の施工管理技士と決定的に違う点があります。6問すべてが必須で、選択問題がありません。捨て問が作れないため、全問を薄くでも埋める設計が必要になります。
そして、施工経験記述が今も出題されます。建築施工や管工事では令和6年度に扱いが変わりましたが、電気通信では継続しており、最大配点を占めます。他資格の情報をそのまま当てはめると、対策の方向がずれます。
独学者には、添削してくれる講師も、参考にできる合格答案もありません。自分の答案が合格レベルなのかを判断する基準を持てないまま本番を迎えることになります。
その基準を先に手に入れるために、3段階の教材を用意しました。まず型を身につける教材から始めるのが効率的です。




型を身につけたら、本試験形式で試します。








一次から二次までAIで効率化する方法は、こちらにまとめています。




基本の記事
まとめ
1級電気通信工事施工管理技士の受検資格は、次のとおりです。
- 一次は年齢のみ(令和8年度中に19歳以上)
- 二次は実務経験が最大の壁
- 旧受検資格では指導監督的実務経験が1年以上必要
- 強電(電気工事)との線引きを間違えると、申込の段階で差戻しになる
- システム開発や保守運用だけでは実務経験にならない
- 重複期間は二重計上できない
- 申込締切後に新旧受検資格の変更はできない
そして受検資格を満たした後は、対策の進め方で結果が変わります。
令和8年度は一次が9月6日、二次が12月6日です。
間が3ヶ月しかないため、一次の準備と並行して二次の形式だけでも把握しておくと、後が楽になります。
